南小樽病院 買収スキーム | MMT理論ベース試算 | 2026-07-17
銀行担当者が「本当に見ているもの」を整理する
「伯鳳会モデルで黒字化します」
「透析センターで収益改善します」
← これは稟議を通すための文書。
銀行担当者はこれを義務として読むが、
意思決定の本質はここにない。
「この融資は15年間、毎月いくら回収できるか?」
「担当者として、10億の融資実績は出世につながるか?」
← これが本当の意思決定軸。
銀行はお金を「貸す」のではなく、
信用創造して利息を稼ぐ機関。
銀行は預金を貸しているのではない。融資した瞬間に新しいお金が生まれる。
銀行が10億円を融資する時、どこかの預金が10億円減るのではない。
銀行の帳簿に「貸付金10億円(資産)」と「預金10億円(負債)」が同時に生まれる。
10億円・15年・年利2%の元利均等返済を厳密に計算する
📅 年間・月次の利息収入イメージ(前半)
※ 元利均等のため、返済が進むにつれ利息部分は減少・元金部分が増加
過去実績・今回の損切り・将来収益を一覧で整理する
| 時期 | 項目 | 金額 | 説明 |
|---|---|---|---|
| 過去 13年 | 利息収入(5.21億 × 2% × 13年) | +1.36億円 | 既に受取済み。確定利益。 |
| 今回 | 債権放棄(ヘアカット損) | ▲2.21億円 | 5.21億 → 3.00億。一回限りの損失。 |
| ここまでの小計 | ▲0.85億円 | まだ赤字だが…… | |
| 今後 10年 | 既存3億ローン利息(3億 × 2% × 10年 単純) | +0.60億円 | 鳳應会が引継ぎ返済 |
| 今後 15年 | 🔑 新規10億ローン 純利息収益 | +1.57億円 | 信用創造コストほぼゼロ。純益。 |
| 今後 15年 | 新規10億ローン 元本回収 | +10.00億円 | 創造した10億が元本として戻ってくる |
| 💰 全体損益合計(元本返還含む) | +11.12億円 | 過去利息込み、元本回収込み | |
| 📌 利息収益だけの純損益(元本除く) | +1.32億円 | 1.36 − 2.21 + 0.60 + 1.57 | |
💡 見方のポイント: 「元本の10億が戻ってくる」のは信用創造の返戻であり、銀行にとってのコストはゼロに近い(準備金のみ)。 したがって純粋な利益として見るべきは利息収益合計 +1.32億円 である。 これに加えて 10億という優良融資資産が15年間バランスシートに計上され、銀行の自己資本比率・融資実績の両方に貢献する。
交渉次第で金利が変わる。銀行の立場では「高い方が正義」
※ 純損益 = 純利息収益 + 過去利息1.36億 + 既存3億利息0.60億 − ヘアカット2.21億
銀行組織の利益だけでなく、担当者個人のインセンティブも分析する
| YES(私的整理賛成) | NO(拒否) | |
|---|---|---|
| 融資実績 | 10億の新規融資 ✅ キャリア最大の実績 |
0円 ❌ 実績なし |
| 評価・ボーナス | 支店目標に大きく貢献 ✅ 昇進・昇給 |
現状維持 → 不良債権 ❌ むしろ責任問題 |
| 2.21億の損 | 本店HQが承認する ✅ 担当者の責任ではない |
5.21億が全損リスク ❌ 支店の責任 |
| YES(私的整理賛成) | NO(放置) | |
|---|---|---|
| 回収額 | 3.00億(10年で) ✅ 確実回収 |
清算なら 1.38億 ❌ 最悪ケース |
| 新規収益 | 15年間 月643万入金 ✅ 安定NII |
収益ゼロ ❌ |
| 地域信頼 | 「地域医療を救った銀行」 ✅ 広報効果 |
病院倒産で批判 ❌ 信頼失墜 |
担当者個人・支店・本部のいずれにとっても、私的整理に賛成することが他のどの選択肢よりも優れた戦略。 これが「合意が取れやすい理由」であり、交渉で押すべきポイント。
数字だけで語る。建前の事業計画よりも、このシートを先に見せる。
「2.21億を今日諦める代わりに、明日から15年間 毎月643万円が振り込まれます。」
銀行は10億円を「貸す」のではなく、信用創造によって実質コストほぼゼロで生み出す。
元本が戻ってくる以上、利息収益はすべて銀行の純益。
担当者にとっても10億融資は年間最大規模の実績となり、評価とボーナスに直結する。
これは銀行・担当者・地域、すべてにとって得をする取引である。